護摩祈願について
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火は、私たちの生活を支え、暮らしを豊かにしてきました・例えば、電気のなかった時代には、提灯(ちょうちん)が闇夜を照らす灯火となって人々を導き、寒い夜には、囲炉裏が家族のあたたかい食卓や団らんを支えました。仏教が誕生したインドでは、火の中へ供物を捧げる「ホーマ(homa)」という儀式が古くから行われていました。仏教は、この伝統的なインドの祈りの儀式を取り入れて発展させたのです。やがて、ホーマの儀式が中国に伝わると、古いインドの言葉である「ホーマ」は、その言葉の音を写した当て字である「護摩」という二文字の漢字で表記されるのが一般的になりました。そして護摩は、仏教の勉強のために中国へ留学していた空海に伝えられます。
空海さまは護摩の儀式を日本にもたらし、真言宗の重要な祈りの作法として確立させます。護摩の儀式で僧侶は、仏さまをお招きし、燃え盛る炎の中に供物を捧げて“おもてなし”をすることによって、願望を聞き入れてもらいます。また、護摩で焚かれる清らかな炎には、私たちの心を汚している煩悩を焼き尽くすはからきがあることも忘れてはいけません。真言宗の僧侶たちは、今なお、インド伝来の祈りの儀式を脈々と受け継ぎ、一人ひとりの願いを、護摩を通じて仏さまに届けています。皆さまも機会があれば、護摩に願いを込めてみませんか。
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